伊岡瞬『代償』感想レビュー 圧倒的な悪意に打ちのめされる、衝撃のサスペンスミステリー!

こんにちは、もしかめです。今回は伊岡瞬さんの代表作の一つ、『代償』の感想レビューです。各方面で絶賛される本作、満を辞して読みましたが、期待通りの面白さでした。

あらすじ

平凡な家庭で育った小学生の圭輔は、ある不幸な事故をきっかけに、遠縁で同学年の達也と暮らすことに。運命は一転、過酷な思春期を送った圭輔は、長じて弁護士となるが、逮捕された達也から依頼が舞い込む。「私は無実の罪で逮捕されました。どうか、お願いです。私の弁護をしていただけないでしょうか」。

裁判を弄ぶ達也、巧妙に仕組まれた罠。追いつめられた圭輔は、この悪に対峙できるのか?衝撃と断罪のサスペンスミステリ。

感想レビュー

これまで体験したことのなかったような、圧倒的な悪意に打ちのめされました。伊岡さんは『本性』に続き2冊目でしたが、悪役の造形が素晴らしいですね。『代償』の達也、『本性』のサトウミサキともに、読み終わった後もずっと頭にまとわりついて離れない、そんな不気味さ、怖さ、存在感がありました。

今作の悪役、達也は根っからの悪。家庭環境や不条理な過去を理由に犯罪者が生まれる作品は数あれど、ここまで擁護しようのない犯罪者はなかなかいないのではなかろうか。同時に、この救いようのない悪意こそがこの作品の魅力になっていると思いました。

しかもタチの悪いことに、達也は決して自分では手を下さない。半ばマインドコントロールに近い形で人の心を操り、数多の犯罪を生み出してしまう達也。

そんな達也が殺人容疑で起訴される事態が発生。決して自分の手を汚さない達也が、拘留されてまで成し遂げたかったこととはなにか。そして、そこにはどんな罠が待ち構えているのか…。

人を弄び、嘲笑う達也の言動に終始胸クソ悪い気持ちになりながらも、先の気になる展開にどんどんページをめくってしまいます。ラストも『その終わり方が1番ふさわしいよね!』という内容で満足。

人を翻弄し、意のままに操り続ける悪人という意味で、東野圭吾さんの『殺人の門』を彷彿とさせましたね。(こちらもめっちゃ面白いので未読の方は要チェックです!)

もしかしたら好みが分かれるかもしれませんが、他ではなかなか味わえない圧倒的な悪意、圧倒的な不快感を感じることのできる良質なサスペンスミステリーでした。

伊岡さんの作品は2作とも非常に面白かったので早速『不審者』をゲットしてきました。こちらも期待大です。ご本人のツイートで知りましたが、各作品で登場したキャラクターが各所で再登場しているようで。そういった小さな仕掛けも嬉しいですよね。

それでは今回はこの辺で。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

もしかめ

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ミステリー大好きもしかめが、読んだ本や日常などをだらっと記録していくブログです。

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